ごあいさつ



 現代は確信をもって問題解決を図ることが難しく、様々な分野で対処しにくい時代になっているといえます。社会生活や価値観や環境の変化は多様なこどもたちを出現させ、教育業界でも大人たちに戸惑いと混乱を生じさせました。小中学校で10万人を超える不登校、どの学校でも発生していると思われるが一向に減らない「いじめ問題」、6万件を超える児童虐待、ひとり親や共働き世帯の増加に伴う養育環境の変化、うつ状態や統合失調症など精神障害の増加、これまで気づかれにくかった発達障がいの顕在化(ADHD、自閉症、典型的でない広汎性発達障がいの認知数の増加)。また情報化社会の進展によりスマホ、LINE、 SNSなどによる生活スタイルや友人関係のありかたの変化などなど……。「どれひとつとっても解決することなどできない」という消極的な考えに陥ってしまいそうになります。

 しかし、この発達障がいに係わる支援事業は歴史も浅く未知な部分も多い一方、これから支援できることはたくさんあります。

 効果的な療育方法の開発、こども一人ひとりの発達の状況に適応できる療育支援システムの構築、こども一人ひとりの適性や能力を発見して将来につながるスキル獲得のトレーニングなどです。

 以上のような視点に立ち、平成28年4月1日に一般財団法人「発達支援研究所」を設立しました。発達障がい支援は社会全体の理解と協力が不可欠です。一団体だけでできることは限定的になります。発達支援研究所は、行政機関、大学・専門機関、幼小中高の学校、福祉・医療機関、児童相談所、一般企業などの関係者とも連携しながら様々な活動を行ってまいります。

                        発達支援研究所理事長 三井 康彦